箱根駅伝の給水ルールでは、
マラソンとは異なり、
給水所でボトルを取るのではなく
各チームの部員もしくは許可された
大学関係者が伴走して渡すことに
なっています。
また、飲料水については主催者が用意した
水もしくはスポーツドリンクに限られます。
長距離ランナーにおいて、
給水は勝敗に関わる大きなポイントですから、
非常に重要なものですが、
箱根駅伝特有のルールがあるのは驚きです。
そこで、箱根駅伝における
給水ルールについて詳しくまとめてみました。
箱根駅伝における給水回数と給水場所!
箱根駅伝の給水ルールについては、
2015年の第91回大会から
大きく変更されています。
現行の給水ルールのポイントは次の通りです。
・1区と6区は給水NG
・1区と6区以外では2か所に限定
・給水の際は各大学の給水員が選手と
並走して手渡すこと
マラソンの給水とは随分と
異なるのがよくわかりますね。
給水について1区と6区で
認められていないのは、
選手の安全性を考慮するためです。
まず1区は箱根駅伝に出場する21チームが
一斉にスタートする区間であり、
差がつきにくく、給水の際に接触などの
事故を起こす可能性が高くなります。
6区は復路のスタートですが、
何より山下りの区間ですから、下り坂が多く、
給水の際に転倒の危険性が高くなります。
こういった理由で、1区と6区は
給水が制限されているのですが、
改めて整理してみると、
とても納得できる理由ですね。
給水の回数についても変更が見られますが、
これは91回大会から採用された
5区のコース変更が大きく影響しています。
往路の最終区5区は箱根湯本駅から、
本格的な登りが始まる、高低差860m、
全長22kmを誇るとても過酷なコースです。
歴代5区で活躍する選手は「山の神」と称され
多くの箱根駅伝ファンに
感動と勇気を与えてきました。
その反面、脱水症状や体調不良のため
途中棄権する選手が多いのもこの区間です。
こういった事情や箱嶺洞門が
使えなくなったことを踏まえ、
2016年大会から300m短縮されたことから、
給水回数も3箇所から2箇所に変更されました。
現在のコースにおける給水場所は次の通りです。
・各区間10kmと15km地点付近
ただし、9区のみ10kmと14.4km地点
・5区は7.1km地点と15.8km地点
もちろん、1区と6区での給水は
認められていません。
給水ルールを間違ってしまうと、
選手が給水できなかったり、失格もありますから
かなり神経を使いますね。
箱根駅伝における給水を担う伴走者について!
箱根駅伝ではマラソンのように
給水場所が定められていませんから、
伴走者が給水ボトルを手渡すことになります。
また、伴走者は伴走を始めて50m以内に
給水ボトルを手渡さなければなりません。
なお、給水員は各大学から選出された者に
限定されており、かつてのように監督が
任意で手渡すことができなくなりました。
実は、給水ルールの変更の中で、
各大学が最も難色を示したのがこの部分なのです。
これまで、多くの大学では
監督自らが給水ボトルを手渡すことで、
選手の体調を見極めたり、
アドバイスを送ることができていました。
ところが、今回の変更で
監督は運営管理車から
指示を出すことしかできなくなったのです。
これは、監督が運営管理車から降りて
給水ボトルを渡す場所が、次のとおり
道路交通法第44条に触れる恐れが
あるからなんです。
・駐停車禁止標識や表示のある場所
・交差点とその側端から5m以内の場所
・道路の曲がり角から5m以内の場所
・横断歩道、自転車横断帯とその側端から
前後に5m以内の場所
そもそも、交通規制をかけているのですから、
あまり関係ないという意見もあり、
今後、さらに協議が必要な部分です。
加えて、給水の中身は主催者が用意する、
水・スポーツドリンクを使用することが
決められており、日本体育大学の給水員が
管理しています。
つまり、各大学の給水員は日本体育大学の
給水員から水やスポーツドリンクを
受け取らなければならないのです。
このあたりは、微妙に大人の事情が
絡んでいるのかもしれませんね。
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まとめ
箱根駅伝では、選手の安全性を考慮し、
細かく給水ルールが定められています。
まず、給水回数は、1区と6区を除く全区間で
2回までとされています。
また、給水は場所を設けず、
予め届出している伴走者が
手渡すこととなっております。
かつてのように監督が
運営管理車から降りて手渡すことは
できません。
さらに、給水の中身も主催者が用意する、
水又はスポーツドリンクに限られています。
長距離ランナーにとって、
給水はとても重要なポイントです。
こういった、箱根駅伝独自の
給水ルールを知ることで、
観戦する面白さも増してきますよね。
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